概要
弊社で使用している動画ファイルを保存しているストレージが、
6.7/7TBとなり、空き容量が残り300GBまで迫っていました。
2週間で約100GB程度消費されており、残り1.5カ月程度で寿命が来てしまう状態です。
本来はファイルを削除したいところですが、保存されているファイルの特性上完全に消すのは避けたく、
ファイルを別のところに移動する作戦を立てました。
作戦案
前提としては
①ファイルは必ずどこかに保存されている
②ユーザーがファイル参照することが可能
③コストは抑える
④寿命が近いため、さっと作業ができる方法で実施
といったところになりました。
対策案としては下記の3案を考えました。
A:物理ストレージを購入し、ファイルを移動する
メリット:作業が楽、コストが安い、ユーザーの操作感がほぼ変わらない(ショートカットで移動したファイルを参照する)
デメリット:ストレージ容量が枯渇した際に、別のストレージを用意しないといけない
B:AWS-S3にファイルを移動する
メリット:作業が楽、容量を気にしなくてよい
デメリット:ファイル取り出しの方法が変わることで、操作性・対象ファイルを表示するためのスピード感が落ちてしまいそう
C:Amazon FSx for Windowsを利用する
メリット:ユーザーの操作感が変わらない
デメリット:導入方法の調査・検証が必要、コストがそこそこ高い
それぞれメリットデメリットがありますが、
寿命が尽きる日が近い・ユーザーの操作感をなるべく変えないことを考えた際、最も手軽なA案にて実施することになりました。
対応策
移動させるファイルは使用・参照されていないファイルとし、
かつ、ユーザーの使用感を変えないように、
移動させたファイルのショートカットを配置する形にしました。
極力コストは抑えたい意向もあり、次のような方針となりました。
①NASを購入して、最終アクセス日時が古いファイルをNASにコピーしていく
②NASにコピーしたファイルのショートカットを作成する
③②で作成したショートカットをコピー元ファイルのフォルダに配置し、コピー元ファイルを削除する
この形であればユーザーは今まで通りファイルも使用可能となり、
ストレージの空き容量の確保が可能となります。
最終アクセス日時が古いものは、2021年以前にアクセスされたものとしました。
NASを購入
本来は業務用のNASを購入すべきでしょうが、
コスト的な面と、配置されるファイルの利用頻度が低い想定のため、
家庭用のNASを選択しました。
その中でも候補が複数ありましたが、今回はBuffaloの「LS720D0602/N」(4万円ほど)を選択。
届いたものはこちら

NASを設定
思った以上に手こずりました。
トラブル①:LANケーブルを接続させてもネットワーク上に出てこない。
本来はこのNAS Navigator2で機器が出てくるはずが、出てきません。
原因としては、会社のセキュリティにより、MACアドレスを許可しないとネットワーク参加できないようでした。

トラブル②:MACアドレスを許可させて再度接続しましたが、まだツールを確認しても出てこない
⇒自分のPCが無線で、NASが有線だと、セグメントが違う関係でアプリでの検知が出来ないという状態でした。
PCに有線用のLANポートがなかったため、全然気づけませんでした。
教えて頂いた情シスの方に感謝!!
NetEnumというツールで探して、ようやくネットワークにNASがいることを確認。

http://xxx.xxx.xxx.xxx/login.html
に接続して、ようやくログイン画面を出すことができました。
ログイン後にNASのIP設定を社内用に変更。

設定完了後、社内のサーバールームにNASを設置し、接続できたことを確認。
ファイル移行にはスクリプトを作成し、ファイルコピー・ショートカット作成・ファイル削除を実施。
初回実施として500GB程度をNASに移動し、空き容量確保することができました。
ショートカットからのファイル参照などもできており、特別な問題は起きませんでした。
移行を終えて
家庭用NAS利用には少々不安もありましたが、
ファイルも正常に開くことができ、無事にストレージの容量を開けることができました。
社内にたまった古いファイル等は、削除してよいかの判断などもできず、
現場によっては判断できる人がいなくなってしまっていることまであります。
そういったファイルが容量圧迫の要因等にもなるため、
今回のようにファイル移行を行ってしまうのも1つの手かと思われます。
